当初、イーハトーブトライアルにはほんの数えるほどの規則しかなかった。大会規則自体が不備だったこともあるが、そもそも「日本に理想的なトライアル大会を作ろう」と考えていたライダーたちにうるさい規則など必要なかったのだ。しかし、回を重ねるにしたがって、思いもよらないような事態が一部に現れたため、そのつど対処する規則を作りながら現在にいたった。そこで今回から「主催者の権限」を大幅に強化し、「大会の存続にとって有益か不利益かを根拠として、すべて決定の最終判断は主催者側にあるものとする」という条項を入れた。この大会はライダーにとって楽しめるトライアルとして、そして地元の方々をはじめとする関係者にとっては有益な大会として存続することがなにより重要な意義だからだ。昔から規則書にもあるように、参加者は一人残らず大会の存続に協力するつもりで参加することが前提になる。たとえば、繰り返し言ってるように、瞬時でも前進を止めたら5点になるノーストップルールだと明記してあるにもかかわらず、ストップしていてもまだ3点だの4点だのとたわけた採点をしているライダーたちは、スポーツとしての大会存続を危うくするので主催者権限で失格にする可能性があるわけだ。トライアルライダーとしてあたりまえのことしか書いていないが、とにかくすべての規則に目を通し、その精神を理解し、納得したうえでイーハトーブトライアルを楽しんでもらいたい。