IDEMITSU IHATOVE TRIAL

イーハトーブ新聞

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イーハトーブ新聞 2005 vol. 2

出光イーハトーブトライアル大会通信
規則書でルールの確認をしよう戻る

 毎回言っていることだが、スポーツの面白さ、楽しさはルールがあるからこそ。ちゃんとルールを知っていてはじめてトライアルも成り立つわけだから、とくに初めてイーハトーブトライアルに参加する人は規則書でルールを確かめておこう。
 イーハトーブトライアルのルールには、他の大会と違う点がいくつかあるが、主なものは以下のふたつだ。

  • ノーストップ・ルールであること。これはホンの瞬間でも止まったら5点というルール。岩に前輪が当たって瞬間的に跳ね返っても5点。べつの言葉で言えば、セクション内では絶えず前進し続けていれば5点にならない。なお停止は足を着く着かないに関係ないので、くれぐれもお間違いのないように!!
  • 足着き4点があること。つまり、1,2,3,4と、足つき4回以上は何回着いても4点となる。
連続セクションにご注意!戻る

 イーハトーブトライアルでは、ひとつのセクションの出口が次のセクションの入り口となっている連続セクションが使われることがある。そこでは入り口からつぎのセクションの出口までの2セクション分を一気に走りぬけることが必要になる。くれぐれも途中で止まらないように!もちろん、止まればそのセクションは5点となる。ただし、最初のセクションで5点の場合はふたつめの入り口手前で停止しても点数は変わらないから、体勢を整えてから入ることはかまわない。
 とにかく、連続セクションは長い距離を一気に走るので息が切れて足がでる…ということになりやすい点が難しさとして加わるのだ。

セクションマーカーについて戻る

 セクションの境界を示すものがセクションマーカー。イーハトーブでは設定と片付けの容易さから、赤と青のナイロン製のものを使うことが多いが、観客の多いセクションなどでは見やすいようにテープを使用することもある。
 MFJではマーカー間を直線で結んだ仮想境界を越えると5点としているが、イーハトーブではこの方法は非合理的なので、マーカー間はどれだけ膨らんでもかまわないという見解に改めた。しかし、マーカー間をはみ出れば出るほど長い距離を走ることになるし、足つきの可能性もそれだけ高まるので決して有利にはならない(…ように作る)。だから実際には曲がりくねった深い沢の入り口、出口だけにボツンポツンと置かれたマーカーなら、途中で膨らむことは不可能なので立派にセクションとなるわけだ。
 ところでセクションマーカーは、手直しが必要なほど動かした場合は5点となるし、テープも切ってしまうと5点なのでご注意。

ブドリはこちら、のマーカーに注目戻る

 ネリ、ブドリが同じセクションで中で仕切られる場合、セクション自体はテープで作り、ネリはどこを通ってもいいようにするのが原則。その中の、ここを通ってねと規制するブドリマーカーがあるので、ブドリは指示通りそこを通らないと5点となる。それからマーカー自体を手直しが必要なほど動かすとやはり5点なのでこれもご注意。

サンムトリのお昼ごはん戻る

 スポーツ性を高めるため、持ち時間制を導入したサンムトリでは、お昼ごはんを食べないという人もいると想定して、今回は食べたい人だけ地元食材ランチを用意することになった。希望者は朝、800円の食券を買ってもらえば準備するので、お昼に安比へ戻ったときに食べて午後のループに出て行けるようにする。なお、ネリ・ブドリはいままでどおり田山ドライブインで食べられるのでご安心を。

これからは親、子、孫の三世代参加をめざそう!戻る

 ニュージーランド(NZ)といえば、日本と夏冬が逆で、英国的真面目さとおだやかな気風を併せ持った人々、それに国全体がまるごと公園のような美しさが魅力の国。
 元トライアルとエンデューロのナショナルチャンピオン、ステファン・オリバーは、父、兄、弟、そして妻と3人の息子の8人が全員オフロードライダーというバイク一家。しかもエンデューロでは父、兄、本人、弟が別々のクラスで上位を占めるほどの実力派ぞろいだ。68歳の父から13歳の孫までみんながトライアルできるってのはすごい!
 日本でも、親子2世代ライダーはイーハトーブにも参加しているが、3世代というのはさすがにまだない。でも、近い将来、バイクを健全なスポーツとして楽しむオリバー一家のような人々が現れるだろうから、まずはイメージリーダーとして、彼らがイーハトーブトライアルにデビューしてもらうように計画中。実現したら、にぎやかな30周年記念大会となるはずだ。

NZに気軽に行ける環境づくりも計画中戻る

 親、子、孫の三世代ライダー参加は、今後のイーハトーブトライアルが目指す道を示すものだ。疑似体験として部屋でゲームにひたっているより、実体験として目を輝かせて自然の中でバイクに乗る息子や孫の姿を見たいという人たちも多いだろう。
 まだ、計画段階だが、オリバーファミリーと協力して、イーハトーブトライアル参加者がニュージーランドのトライアルファミリーと気軽に交流できるしくみを検討中。
 いつもにこやかな彼らは、ニュージーランド南島のネルソン周辺にある、海を見下ろせる広大な牧場(羊も遊んでる)を20年契約で借りていて、レンタルトライアルバイクに乗って過ごすツアーを日本人向けに準備中なのだ。
 しかも宿泊は、現地で日本人が経営するペンションを利用するから、英語が苦手な人でも言葉や食べ物で困ることはまったくない。
 NZは、日本と同じく左側通行だから、ドライブやツーリングも安心だ。一般国道の制限速度が時速100キロだし、信号はほとんどなく、美しい自然の中にワインディングロードがえんえんとつづくNZはまさにツーリング環境として最高だ。夢のような計画だが、準備が整ったらイーハトーブ参加者にはまっさきにお知らせするつもりだ。

昼間でもヘッドライトをつけるわけは?戻る

 クルマやバイクでトライアルの追っかけをする人にぜひ伝えてもらいたいことがある。それは、カーブミラーがたくさんあるような曲がりくねった道を運転するときは、昼間でもヘッドライトをつけて一瞬でも発見を早めるようにしてもらうこと。林道のような砂利道では急ブレーキがスリップを誘発するので、発見が早いことが非常に重要なのだ。もちろん、夕方も日没前に点等は当然のこと、雨でも霧でも見えにくいことは発見の遅れにつながるので迷わずヘッドライトをつけて!スモールランプは遠くから見えないので安全上はほとんど意味なしと知ってほしい。

出光社員が大活躍するぞ!戻る

 昨年、前夜祭の舞台に突如あらわれた美女3人と男性一人。出光まいどカードの宣伝タイムということで、披露してくれたのはものすごく息の合った掛け合い!そのようすはビデオにも収録されていたので、感心した人も多いだろう。あの人たちは出光仙台支店の社員のみなさんで、ことしはさらにパワーアップした仕込みをしてやってくるらしい。
 それに、全クラスともスタート台の上に出光美女が立ってアナウンスやスタートの合図などをやってくれることになった。うーん、これで出発気分もグンと盛り上がることまちがいなしだ。イーハトーブトライアルを17年間も支援してくれている出光のガソリン・オイルを、みなさんも常日頃からぜひ愛用してほしい。

まいどカードの特典、今度はすごい!戻る

 ガソリン代が割引になるまいどカードにはすでに加入した人が多いと思うが、今回、カードが郵便貯金とも合体した出光郵貯カード・まいどプラスができた。それに乗り換えると財布の中でごちゃついていたカードが整理されるだけでなく、イーハトーブトライアルだけの特典(昨年のとは別種のコレクターズアイテム、ミニローリー)がある。実際に書類に署名捺印した人の中から抽選で、出光オリジナル・ウルトラマンMP3プレイヤー、出光カラーのカシオデジカメがなども抽選で当たる。これらは非売品だし、マニアにはのどから手が出るほどのコレクターズアイテムになること間違いなし!さらに菅野美穂がついてくる特典も…あればいいのにな…。(ないっ!)

クラシック観戦バイクツアーはいかが?戻る

 2日間で往復約350キロにもおよぶ長丁場のクラシックは、出光イーハトーブトライアルの醍醐味であると同時に、美しい岩手の景観と、行く先々で地元の人々の暖かさにふれる奥深い岩手観光の旅でもある。
 しかし、あまりに全体像が大きいので、参加者にしかその内容が理解されていない面があることも事実。そして、観戦しようにも応援しようにも、道を知らないとコースをたどれず、セクションの場所もわからないないなど、見て回るだけでも大変な面がある。
 そこで、今回、特別企画として、バイクによるクラシック観戦ツアーを実施する。
 大会当日、七時雨山荘からスタートして、美しいコースや見ごたえのあるセクションを見学しながら普代村くろさき荘で一泊。翌日も可能な限り観戦しながら七時雨山荘に戻るというもの。自分のバイクを持ち込んで参加する前提なので、運転免許とバイクを持っている人が対象となる。
 参加車両はトライアルバイクの他、250cc以下のオフロード車もOKで、二人乗り参加もOKだ。希望者にはライディングテクニックのアドバイス付きという内容だから、観戦だけでなく、そのうちクラシックに参加したいけどまずは様子を見たいという人や、クラシック参加は体力・技術的にもきびしいけど、あの雰囲気に浸りたいという人にもピッタリ。進行ペースはツーリングそのものなので、だれでも参加できる。万一、トラブルでリタイアしてもサポートカーが同行するので安心だ。なお、ガイドは大会会長万澤安央自らが250ccオフロードバイクで行う。これこそは、新しいイーハトーブトライアル参加のかたちかも!
 問い合わせ・申し込みはテレビ岩手事業部 高橋和典までメールまたはファクスでお願いします。
 Eメール:kazu@tvi.co.jp ファクス:019-624-1991

フリースが必要だよ!戻る

 この原稿を書いている7月の後半のある日、「西日本各地は軒なみ最高気温を更新し、岡山は37度…」なんてニュースで言ってたが、その日の岩手の最高気温は20度、最低気温は17度だった。暑い時期にフリースなんて想像も付かないだろうけど、岩手の8月末というのはもう秋だから、朝晩はもっと冷える。これだけ毎回書いているのに、Tシャツで震えている人を見かけるけど、ちゃんとこの情報を読んだ人ならそんなことないはず。必ず冷える…というわけじゃないけど、寒いときに着るものがないのは悲惨だからね。ボーイスカウトじゃないけど「つねに備えよ」がトライアル精神なのだ。
 それにしても、大都会では熱帯夜つづきで衰弱する人もいるというのに、なぜ岩手県はこの県北部一帯を健康に役立つ避暑地として宣伝しないんだろう???

山道コースを勝手に走っちゃいけない理由戻る

 こないだ、準備で走ったクラシック2日目の山道コースに、またまたエンデューロマシンがたくさん走った跡が残っていた。イーハトーブトライアルに参加した者が案内役でなければ、あれだけわかりにくいコースを迷わず走れないはず。前にもたびたび言ったが、大会参加以外のかたちで勝手にコースを走るようなことは、大会存続を危うくする行為なので、絶対しないように!
 いまは森林管理署も木を切る時代から自然保護の役割に転換したので、コース下見と言えどもわれわれ実行団は届出をしてから走っている。たとえ無関係者だとしても深いわだちを残したり、自然を破壊する行為はすべてイーハトーブトライアル実行団に苦情がくるし、修復もこちらがやることにな。だから勝手にコースを走る行為は見逃すわけにいかないからだ。もし見かけたら、ナンバーを控えて強制的に実行団員にしてあげよう。そうすればイヤというほど走れるんだから…!

コースを走ることは有料なのだという事実戻る

 毎年のことながら、すべてのクラスの大コース図10枚をもって、家村実行団長と石山団員が岩手警察署に道路許可申請に行く。モータースポーツイベントのために道路使用許可が下りることは、全国的にも非常に珍しく、長い無事故実績のおかげで岩手県警もこの大会だけは許可しているとのこと。
 さらにコース上の林道区間の地図などをもって、森林管理署に、実行団長、あるいは事務局の担当者が行く。そこで総延長距離と参加台数をかけた林道使用料金を払い込む。大会が終わると、両方に「無事に終わりました」と書面をもって報告に行く。
 この他、コースはいくつもの私有地や管理地を通り抜けるので、大会前にはたくさんの地主や管理者の家を一軒一軒たずねては、お酒などお礼の品をおいて使用許可をもらって歩いている。こういう地味な手続きがあって、あれだけ長いコースや美しい場所を走れる大会が開催できているのだという事実を知っておいて欲しい。
 これまで、こうして大会開催に協力してくれた大勢の人々には、コース上で出会うかも知れないので、地元の人に会ったら軽く会釈することが大会存続の重要な要素だと心得ておいてね。ともかく地元の人々の期待に応えるためにも、今後も無事故で回をかさねていこうではないか!

若いライダーに、先輩パワーを発揮しよう!戻る

 今回から20歳以下のライダーの参加は無料という制度にした。その理由はトライアルを始めたくても、費用負担が大変でなかなか出来ない現実を踏まえ、トライアルの先輩が誘いやすいようにするためだ。
 つまり、イーハトーブの常連ライダーなら、自分のうちか仲間のところに一台余ったバイクがあれば、「いっしょに連れて行くから出てみないか?」と言いやすい環境を作りたかったというわけ。このような先輩ライダーの暖かい一声でトライアルにどっぷりハマる若い人たちが増えるのは日本の将来にとってもいいことだと思う。その理由は、テレビゲームやコンピューターの疑似体験,仮想現実にばかりひたって、実体験を積む機会が減る一方の若い世代に、実体験のかたまりであるトライアルを体験させることは、きっと彼らの中で何かが目覚めるはずだからだ。
 ここで大切なことは、決して無理強い、あるいは無理なことをさせないということ。初めてネリに出る人ならあのコースやセクションでも十分に難しいから、まずはバタ足だらけでもセクションを通過すること、そしてケガをしないで完走することだけを目標にすればいい。
 無事完走したら、とにかく誉めてあげよう。誉められれば、また次回も来たくなるから。そうして彼らの進化を見守る先輩ライダーは、きっとそこに喜びを見出すことだろう。こうして、トライアル文化が伝承されていくことが、日本の国を滅亡から救うのだ!
 以上、万澤の持論でした。

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